匂天竺葵、コウノトリ、アリマキ

 

明日、庭で寄植えWSが開催されるというのに豪雨になった日。

お願いしていた外看板を仕上げてもらったので「楽しくしてたら何とかなるかな」

マインドで、全身で雨を受けながら看板をとりつけた。

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それが功を奏したのか、はたまた晴れの性質をもつ方々が集ったからか、

いずれにせよ当日は、昨日の豪雨が嘘のような爽やかな快晴の1日になった。

 

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マーガレットとアカツメクサシロツメクサの花々が咲く、何てファンシーな

光景。子供の頃、こういう風景みながら通学したよねというノスタルジー

仲良しだったむっちゃんと、可愛いお花やきらきら光る小石に魅了されて

学校までなかなか進まず、いつもふたりで遅刻していたことが思い出される。

懐かしさが記憶の扉をこじ開け蘇ってくる。感情が動く。ここを「エモい」と

表現する人の多い一因なのかもしれない。

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ガーデンショップ GreensBeeさんを講師にお迎えして、ハーブの寄植えWSを開催

頂いた。「寄植えの植物はすべてハーブで、プランターは土に戻る紙製で」という

こちらの意向を叶えてもらった形だ。

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蒸留器をもっている人、園芸に手慣れている人、ハーブの知識がある人。

いろんな方が参加してくれた。どことなくソーシャルディスタンスをとり、

マスクとビニール手袋必須なところがビフォー・コロナでは想像していなかった

新習慣。 

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GreensBeeさんにもうひとつマストでお願いしてあった、ニオイゼラニウム

得も言われぬ芳しい香りがある。フレンシャムレモン・斑入りレモン・

ローズ・ストロベリー・ジンジャーと、何と5種類ものニオイゼラニウム

揃えてくださった。北海道では越冬しないけれど、乾燥に強く暑中の寄植えに

向く。アロマテラピーローズゼラニウム精油はこのハーブで、はちみつに

葉を入れておくととても良い芳香になり、葉の形も花の色も可愛い。

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ニオイテンジクアオイ

 フウロソウ科テンジクアオイ属

 学名:Pelargonium graveolens

 英名:Rose geranium

 和名:匂天竺葵

 

原産は南アフリカで「Pelargonium(ペラルゴニウム)」の名前でも流通する。

ペラルゴニウムの由来はギリシャ語の‘Pelargos’で、コウノトリのことだ。

コウノトリを初めて見たのはスペインで、その大きさに度肝を抜かれた。

ルーマニアで見かけた時に、コウノトリは人里で営巣すると教えてもらい、

それで電柱の上に巨大な巣を作るのかと合点がいった。ペラルゴニウム

の種子がコウノトリのくちばしのように長細いからこう呼ばれるようになった

そうで、学名とかいうと小難しい感じがするけれど、由来を知るとけっこう

原始的というかシンプルな感覚なんだよなぁと、点在する自然の魅力で

なかなか学校にたどりつかなかった子供時代を重ね合わせて正当化してみたり

する。ちなみに‘graveolens’には「重い香り」という意味がある。あーわかるなぁ

と思う。嗅ぐと納得なんだけど、ニオイゼラニウムって芳しくて、香りに重厚感

というか、重みがある。

 

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GreensBeeさんに頂いた寄植えポット。漂う芳香にこびとのおじさんも嬉しそう。

 

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楽しく夢中なじかんはあっという間。皆が帰ったあと、サーブしたレモンバーム

ミントのブレンドティーでひとり余韻に浸っていたら、おいしいものメンターの

ポカリさんが来て「外に人形が置いてあると思ったら動いてびっくりした!」と。

外で人の形。ポカリさん、それはきっと、私に化けた案山子です。 

 

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 これが動いた人形、簾舞の案山子です。

 

寄植えWSの時、庭のワームウッド(ニガヨモギ)を一緒に見ていた人と

たくさんのアブラムシが茎についていて、そこにせっせとアリが来る様子を

眺めた。そして「アリってアブラムシが好きなんでしょうね」と少し呆然と

なりながら話した。数日たって、ワームウッドのアブラムシがひどい茎だけ

カットしようとしたら、あれ。アブラムシのついた茎が少なくなっていた。

アリが食べちゃったのかと思ったら、アリはアブラムシが出す甘い排泄物が

大好きで、アブラムシを天敵から守っていると知る。相変わらず、せっせと

アリは働いて=歩きまわっている。アブラムシの別名はアリマキだそうだ。

庭で起こる共生関係。