ダーチャのある暮らし、始めます。

 

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店にしているダーチャ小屋の修繕がもうすぐ完成しそうです。

縁とはふしぎなもので、ご先祖さんが岐阜で郡まで同じ人からの紹介で、

素敵だなぁと思っていた古民家カフェをされていた方が手掛けてくれる

ことになりました。

 

こんにちは。東欧雑貨しまくま堂です。

ずっと心にあったダーチャを中心にした発信をして行こうということで、

新しくBlogを始めることにしました。

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仕入れでチェコハンガリーなどまわると、予算の都合で泣きたくなる

ような宿に滞在せざるを得ない時があります。だから宿が素敵だと

嬉しくてパワー倍増。小屋の修繕は、まるで今までの旅先で良かった

宿やレストラン、店が集大成したような、とっても良い雰囲気に

なりました。ハラショー!

 

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入り口のジャッキアップ中

 

小屋の老朽化が激しい分、壁をペイントする前に弱った部位の補強など

細かな作業の連続に手間と時間をかけて頂きました。くしくも

コロすけ(Covid-19 新型コロナウィルス)のことと時期が重なる転換期。

自身の問題点が浮き彫りになり不安や恐怖が押し寄せましたが、目の前で

小屋が素敵に修繕されてゆく様子に、いつしか頭の中で絡まっていた糸が

するするほどけて行くような心地よさが伴っていきました。

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典型的なダーチャの風景 ダーチャで過ごす緑の週末 1頁より

 

ところで、ここを「ダーチャ」と呼ぶようになったのは、東欧を旅するうち

自分の中にあった原風景が、ロシアの家庭菜園付きセカンドハウス

дача(ダーチャ)だったと気づいてから。 

 

ダーチャの語源は、与えるを意味する ダーチ(дать)。

ソ連時代のロシアでは、職場(国営)の労働組合に申請すると土地を

貰うことができました。平日は都会で働き、週末になると各自で通って

小屋を建て、畑を耕し作物を育てました。外貨を入れない経済対策を

とっていたソ連では、ダーチャのおかげで国内の食料自給率が高く

輸入品に頼る必要がなかったそうです。

*参考書籍 豊田菜穂子さん著・ダーチャですごす緑の週末

 

真冬のロシアで仕入れ中、ディーラーが供してくれたお茶やジャムは

ダーチャで採れた果実やハーブで作られたものでした。

無愛想でめったに笑顔を見せないディーラー夫妻が「春になったら

サンクトペテルブルグから100数十キロ離れたダーチャへ通うのだ」と

顔をほころばせて話した時、彼らにとってダーチャがどれほど大事な

場所かが伺えました。

 

私のダーチャはDIYは苦手だし、野菜づくりもうまくない。

ただ、木々の葉ずれや鳥のさえずり、陽光を浴び輝く花たちと

共にあるだけで至福に包まれる。この感覚とおおらかな風景、

可愛いインテリアはお楽しみいただけるかなと思います。

たまに心のことも綴っていきながら、この自然豊かなBlogが

点在する小さなオアシスのひとつになりますように。